作用反作用の法則を考えたとき、よくある勘違い
【作用反作用は、力の大きさが同じで逆向きなので、力はつり合う】
これは、間違っています。
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整理するためには、
「何」が「何」に 働く力なのかを、しっかりと確認することが必要です。
例えば、床に物体Aを置いた場合。
重力とは、「地球」が「A」に働く力です ※1
抗力は 「床」が「A」に働く力です ※2
重力(下向きの力)と抗力(上向きの力)はつり合っています
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では、この物体Aの上に、物体Bを置くと、
物体「B」が「A」を押す力 がでてきます ※3
すると、
作用反作用の法則からもわかるように
物体「A」が「B」を押す力 がでてきます(押し返す力) ※4
また、
Bにも重力はかかるので、「地球」が「B」を引く力 ※5
もありますね。
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作用反作用の力は、 ※3と※4の二つの力のことです。
良く見て下さい
※3は 「A」を
※4は 「B」を 押す力です
力が働く対象が違います。
別々の物体に力をかけていますので、
この2つの力がつり合うことはありません。
では、なぜつり合っているのか?
それは、※4の力と※5の力のせいです
※4は 「A」が「B」を 押す力
※5は 「地球」が「B」を 引く力 です
どちらも「B」に働く力ですね。
●つり合いは、ひとつの物体に働く力
●作用反作用は、二つの物体で考える
です
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例えば、あなたが壁を押した場合、
「あなた」が「壁」を押す力
と
「壁」が「あなた」を押す力
は
作用反作用の関係にあります。
つり合うかどうかとは関係ありません。(強く押すと、あなたはひっくり返りますよ)
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ちなみに、※1の力にも、※2の力にも
当然、反作用の力はあります。(※5の力にもあります)
ただ、
「A」が「地球」を引く力 ※1の反作用
「A」が「床」を押す力 ※2の反作用
は
通常、考慮されません(わざわざ考えません)
その影響がほとんどありませんから